李宝の人生観 5

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「稼いだお金は預金すべきだと思うでしょう! 私はそうしない。 お金を稼ぐたびに思いつくのは、どうやって遊ぶ、どうやって見聞を広めるということだ。 もしお金を稼いで、ただ預金するためとしたら、なんで稼ぐの! 使い切ったらどうするのと聞く? それは簡単だ。 また働いてお金を稼げばいい。」

 「では、大学を卒業して、ホステスや行商人をして働いてあなたの品格はないの! 人に軽蔑されてもいいの! より安定して、世間や周囲に対して面目の立つ仕事を探せば良いんじゃないの!」

 「ほかの人に軽蔑されるかどうかは重要ではない。 重要なのは自分が自分を大切にすること。 あるいは自分には本当に能力があるかどうかってこと。 私に能力がないと思っているの? それに、若いうちに多くの能力を身につけたいと思う。 多くの外国語を身につけるように。 世界の変化はこんなに速い! 安定とはなに? 大事なのはさまざまな変化に適応する能力を身につけているってこと。 そうすると淘汰されない。 そうでしょ。」

彼女の能力と自信に満ちた言葉には、私は認めざるを得ない。 彼女が先覚者の意気込みを持っているのが羨ましい。 彼女が目指してやりたいことだったら決して容易に後退したりあきらめたりしないだろう。

 
 李宝は大連を離れ、香港へ行ってからまもなく2年になる。 李宝から手紙をもらった。 彼女は今、英語、フランス語、ドイツ語、中国語の翻訳の仕事に携わっている。 いくつかの大手会社と仕事関係を持ち、忙しいが自由があるようだ。 毎週、障害者学校へ英語を教えに行く・・・

しかし、李宝の希望する放送会社の仕事についてどうなったかは書いてなかった。・・・完