天下無賊 大連より八話~イノセントワールド

イメージ 1

2005年中国で上映された正月映画「天下無賊」

<キャスト>
*泥棒カップルの女、王麗、台湾女優(リュウ ルゥイン)大人の色気が魅力的。
*泥棒カップルの男、王薄、香港のスーパースター(アンディロウ)イケメンの男優。
*窃盗団の親分、中国男優 葛優(グウヨウ)中国のおっさん落ち着いた低音の響きが印象的。
*愚根、純白な若い青年。
*泥棒カップルを追う刑事。

「天下無賊 八話~イノセントワールド」原文訳


列車がやって来た。愚根もみんなと一緒に、我先に列車に乗り込んだ。愚根の気持ちは、晴れ晴れとしていた。


列車の中は空いていた。乗り込んだ数十人は、それぞれ好きなところに座った。愚根は窓の席に座った。


トラックで一緒だった、顔に刀傷のある、あの男も乗り込んできた。なんと愚根の前の席に座った。


愚根は刀傷の男に挨拶をしたが、刀傷の男は知らぬふりをして、雑誌を取り出して読み始めた。


雑誌の表紙には、半裸の女性の写真が載っている。


愚根は、首を伸ばして雑誌を覗き込んだ、が、刀傷の男は、急いで次のページをめくって、愚根を睨みつけた。


愚根は慌てて、愛想笑いをするしかなかった。そのとき一組の男女がやってきて、愚根と同じ席に座った。


女は愚根のそばに、男は女の向いの席に座った。女は26、7歳で綺麗な女性だ。男は30歳くらいで大柄、がっしりした体格、ひげもじゃだ。


見たところ夫婦のようだ、刀傷の男は、彼らをじろっと見ると、雑誌を閉じ、窓の外をじっと見ている。


愚根は、彼女から漂ういい香りを嗅ぎ取り、急に落ち着かなくなった。


列車は、ゆっくり動き出し、愚根の頭のなかも同じく、ガタンガタンとなり響いた。愚根は慌てながらも、嬉しくなってきた。


若い女性が、そばに座ってくれることは、とても嬉しいことだ。


九話へ続く