天下無賊 大連より五話~イノセントワールド

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2005年中国で上映された正月映画「天下無賊」

<キャスト>
*泥棒カップルの女、王麗、台湾女優(リュウ ルゥイン)大人の色気が魅力的。
*泥棒カップルの男、王薄、香港のスーパースター(アンディロウ)イケメンの男優。
*窃盗団の親分、中国男優 葛優(グウヨウ)は中国のおっさん低音の声の響きがいい。
*愚根、純白な若い青年。
*泥棒カップルを追う刑事。

「天下無賊 五話~イノセントワールド」原文訳


愚根は、さっそく5年分の給料を下ろしに、町の銀行へ行った。愚根は稼いだ金を、町の銀行に預けている。もう6万人民元になった。


6万元と言えば、そうさな、今の日本の貨幣価値に換算すると、500万位になるかな。


愚根は、それをもつと嬉しさがこみ上げてきた。レンガ何個分かの重さだ。


その夜、愚根の村の者たちが皆、愚根のところにやって来た。


そして、「そんな金、手元に置いちゃだめだぞ」と忠告してくれた。


愚根はぶっきら棒にいった。「どういうことだ」


「村へ帰る途中は物騒だ」「数千キロの道を強盗にでも出くわしたらどうする」


「へたしたら命もないぞ」しかし、愚根は聞かない。


「そんなことあるわけないさ。」


「俺は子供の時から今まで、泥棒なんかに会った事ないぞ。」


「やっぱり郵便局から送金がいい」と副村長は言った。


愚根から送金料は、いくらかかると聞かれて、「600元くらいかな」と答えると、愚根は目をむいて、そんなに高いなら、やっぱり持っていくという。


みんなは、慌てた「お前を脅かしていって、いるんじゃないぞ。」

「村へ帰る途中は、無事ではいかない。」

「バスにも列車にも必ず泥棒がいる。」

「そんな大金を持って帰れば、絶対に無くなってしまう。」


しかし愚根は信じない。


愚根の暮らしていた村は、辺鄙な山の中で、村人は、何世代もずっと同じ村で暮らしていた。人情は素朴で、道に何かを落としたとしても、それを拾って、盗ってしまうような人はいない。


村人たちは運命共同体なのだ、そんな村に泥棒などあろう筈が無い。愚根が働いた、この工事現場にも5年もの間、泥棒はいなかった。


「もう帰ってくれ」愚根は怒って村の者にいった。皆は首を横に振るしかどうしようもない。


「愚根はやっぱり名前のとおり」


「愚かでどうしようもない馬鹿だ!」その翌日、愚根は大型トラックに乗って故郷へ発った。


六話へ続く