天下無賊 大連より四話~イノセントワールド

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2005年中国で上映された正月映画「天下無賊」

<キャスト>
*泥棒カップルの女、王麗、台湾女優(リュウ ルゥイン)大人の色気が魅力的。
*泥棒カップルの男、王薄、香港のスーパースター(アンディロウ)イケメンの男優。
*窃盗団の親分、中国男優 葛優(グウヨウ)は中国のおっさん低音の声の響きがいい。
*愚根、純白な若い青年。
*泥棒カップルを追う刑事。

「天下無賊 四話~イノセントワールド」原文訳

去年の、秋の終わりのある日、愚根は炭鉱のある町まで行った。町といっても、小さな商店が数軒あるだけの、さびしいところだ。


しかし、ここは数百キロ四方の内で、最も賑やかな場所だ。


その日愚根は、この町をぶらついた。すると向こう側から、可愛い服を着た若い娘が、愚根のすぐそばを通り過ぎた。


それから、若い母親が、商店の店先の椅子に座って、赤ん坊に乳をやっている。若い母親は、綺麗な白い胸を広げている。


そのふくよかな乳は、周りの殺風景な景色とは反対に、甘い香りを漂わせている。


愚根はたちすくんで、それを見たとき、言い知れぬある感情が込み上げてきた。そして、慌ててあたりを見回すと、一目散に仕事場に帰って行った。


その日から愚根は、焦りにも似た、気持ちの高ぶりをずっと感じていた。


春になり、故郷の村の者も戻ってきた。すると愚根は、副村長に言った。


「俺は村に帰る」


「帰ってなにするんだ、ここに何の不足があるんだ」


「帰って新しい家を建てて、嫁をもらうんだ」副村長は、一瞬唖然としたが、すぐに大声で笑い出した。


愚根の肩を、拳骨でたたくと、「いいぞ、こんなにでかくなったんだ、嫁をもらっても、悪くは無いなぞ!それで何時帰るんだ」


愚根はテレながら、笑って、「明日たつ」と言った。


五話に続く